映画『十二人の死にたい子どもたち』ネタバレ感想・解説

  • 2020年1月12日
  • 2020年1月31日
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Okko
今日おすすめしたい映画は、20191月に公開された映画『十二人の死にたい子どもたち』です。
原作や映画のあらすじ、キャストについてご紹介します!

映画『十二人の死にたい子どもたち』の原作

原作は、ベストセラー作家の冲方丁(うぶかた とう)の同名ミステリー小説です。

20157月号~20167月号まで「別冊文藝春秋」に連載され、201610月に文藝春秋より単行本が刊行されました。

本作品を執筆したきっかけは、10年以上前にネットで「自殺サイト」を知ったことだったそうです。

あらすじ(ネタバレなし)


自殺サイトの企画をもとに、自殺願望のある未成年12人が廃業した病院の地下に集まる。

彼らはそれぞれ悩みを抱えており、彼らの目的はみんなで安楽死をすること。

ところが12人集まり、計画を実行しようとしたところ、「集いの場」のベッドにすでに13人目の少年の死体が横たわっていた。

彼は誰なのか?誰が殺したのか?不測の事態を前に、このまま安楽死の計画を実行すべきか、13人目の正体や犯人を解明すべきか、この集いの唯一のルールである「全員一致」にのっとり、多数決をとり議論していく。

 

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登場人物(ネタバレ含む)

1番 サトシ(高杉真宙)

15歳高校1年生・自殺サイトの管理人。安楽死の集いの主催者。理路整然とした穏やかで公平な印象の少年。
「集い」の会場である廃病院は、かつて父親が経営していたもの。
長い間うつ病で悩んでいた父の自殺によって、廃病院となった。
サトシには兄がいるが、兄が医大に落ちたことがきっかけで、母が兄と共に無理心中を図る。
それが原因で、父親がうつ病を患ってしまう。
母と兄の無理心中未遂以降、父親とサトシは二人暮らしをするが、父親は死を選択してしまう。
短期間にサトシの身の回りに、死にまつわる出来事が発生し、自分は死に取りつかれていると感じるようになる。
「死とはどういうことなのかを知りたい。」と思い、この安楽死の集いを主催する。

2番 ケンイチ(渕野右登)

16歳の高校2年生・いじめられっ子。中学時代、担任の先生に目をつけられたことが発端で、長い間いじめられている。
ギャルのマイからは「空気が読めないやつは人気者にもなったりするのにね」と言われたり、ヤンキーのセイゴから「いじめっこに会って、やりかえしてやるのに」と言われ喜ぶ。
根は明るい性格だが空気が読めないため、周りから疎ましがられている。
集合時間になる前、受付の階で人が倒れるような音を聞いている。

 

3番 ミツエ(古川琴音)

16歳の高校2年生・ゴスロリ少女。憧れのバンドのメンバーが自殺したため、自分も後追い自殺しようと考える。
集合時間前に女子トイレに行き、亡くなったバンドのメンバーが吸っていたものと同じタバコを吸っていた。
その時にトイレの個室に片足だけの靴を見つける。
リョウコが有名女優のリコであるとわかり、自分のような後追いしようとするファンのために、自殺はするなと反対側にまわる。

 

4番 リョウコ(橋本環奈)

 

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. 「集い」参加者リスト🗒 . #4番 リョウコ . #廃病院集合🏥 #しにたい12 #秋川莉胡

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ニット帽とマスク姿の謎の少女。途中まで顔を隠していたが、のちに天才子役から有名女優になった秋川莉胡であると判明する。
大人がお金と時間をかけて作り上げた「莉胡」を、ただの商品であり自分の本当の姿ではないと言い嫌っている。
本当の自分の姿であるリョウコとして死にたいと言い、「集い」に参加する。
外のベンチに落ちていたタバコは、リョウコが吸ったもの。
集合時間前に人が倒れたような音を聞いており、ドアを開けると廊下を黒っぽい服を着た人物が走り去るのを見かけている。

 

5番 シンジロウ(新田真剣佑)

17歳の高校3年生。末期の病気に侵されており、1年後には自分の意志ではもう何もできなくなる、そうなる前にせめて自分の意志で自分の命を終わらせようと思い、集いに参加する。
昔から闘病していたためクスリや医療機器に詳しい。また、両親が警察官である影響からか、推理好きで探偵役として活躍する。
闘病の薬の影響から髪は抜け落ち、カツラとハンチング帽を常に被っている。
集合時間前に自販機でペットボトルの水が落ちる音を聞いている。

 

6番 メイコ(黒島結菜)

18歳の高校3年生。ファザコンで、父親に対してゆがんだ愛情を持っている。
おとなしい性格だが安楽死実行に対しては積極的で、周りをせかしたり、アンリに対して気の強い発言をする面もある。
父親の会社が倒産寸前のため自分自身に保険金をかけ、父親のために自殺しようと考えている。
父親が「死んだ娘に生かされてる人」と言われることを望んでいる。

 

7番 アンリ(杉咲花) 

17歳の高校3年生。黒髪ストレートで、黒い服を着ている。
4歳のころ家が火事で燃えたことで、自身の体に大やけどを負い、生まれたばかりの弟を亡くしている。
母親は平気で何日も家を空けるようなネグレクトの親で、母親が弟の死を悲しむこともなかった。
その様子を見たアンリは、自分たちは何のために生まれてきたのだろうと考えるようになる。
集団自殺することで、望まれずに生まれてきた子供たちの存在を社会に知らしめようと考えている。

 

8番 タカヒロ(萩原利久)

吃音の16歳・高校1年生。幼少期からイライラしたり癇癪を起したりすることで、母親を困らせていた。
なにかの病気だと信じ込んだ母親に薬漬けにされており、今でも薬を使用している。
番号を取る前に屋上に行って心を落ち着かせており、6階に降りてきたときにノブオとセイゴに会い、3人で番号札を取りに行く。

 

9番 ノブオ(北村匠海)


18歳高校3年生。自分をいじめていた少年を階段から突き落として殺した過去がある。
結局誰にも見つからず、事故として片づけられてしまったため、罪を償いたいと思い「集い」に参加する。
途中、誰かに背中を押されて階段から転げ落ち、行方をくらます。
周りからは、13番を殺した犯人だと疑われる。メイコに階段から突き落とされる。途中、自首するつもりで集団自殺は棄権する。

 

10番 セイゴ(坂東龍汰)


15歳・高校1年生のヤンキーキャラ。
いじめを受け自殺願望があるケンイチに対して、「いじめっ子にやり返してやる」と言ったり、弱者には優しい。
母親に保険金をかけられており、母親の周りには人を殺すことを何とも思わないような人間がたくさんいるため、そのうち自分も保険金目当てで殺されるのではないかと恐れている。
自殺をすれば母親に保険金が入らなくなるため、自殺にしなければいけない、と思っている。

 

11番 マイ(吉川愛)

17歳で高校3年生。ネットで知り合った人物と援助交際をしており、それがきっかけでヘルペスに感染している。
ヘルペスを一生治らない病気だと思い込んでおり、病気を苦に「集い」へ参加する。
集合時間前に外の花壇の場所に帽子とマスクが捨ててあるのを見たのは、マイだけだった。

 

12番 ユキ(竹内愛紗)

15歳の高校1年生。
終始おとなしくあまり発言をしないが、議論になった際、集いへの参加の理由を「交通事故の後遺症で十分苦しんだ、もう楽になっていいはず」と語った。
左半身が麻痺しており、ケンイチから重い荷物を渡されたときに落としてしまう。

 

13番目(0番目)(とまん)

一番に「集いの場」のベッドに横たわっていた人物。
はじめ参加者の11人のメンバーは、1番目に来た人物が先に安楽死を実行したものだと思い込んでいたが、12時ちょうどに主催者のサトシが現れたことで、ベッドに横たわっているのは12人以外の部外者であることが判明する。
ベッドの横にある車いすには「フルニトラゼパム」という睡眠薬が積まれていたが、服用したにしては致死量に足りていないことから、5番シンジロウが、自殺ではなく、殺人ではないかと指摘する。

 

13番を殺した犯人捜し

集いの場の唯一のルールは「全員の意見が一致すること」。
最初の決で、2番のケンイチが、死体が誰なのか、誰が殺したのか明らかにしないと安楽死できない、といい反対に回り、そこから犯人探しが始まる。

13番が眠るベッドの横には車いすがあり、靴を履いていない。
そのことから、13番は殺害された後病院に運び込まれベッドに寝かされたと考えられる。
靴は、廃病院内の女子トイレにひとつ落ちているのをミツエが見つけている。
また、靴の話を聞いて参加者のメンバーが、6階で椅子が挟まれてエレベーターが停止されていたことや、玄関の自動ドアが開けられていたこと、帽子やマスクも受付に置かれてあったことなどを指摘する。

11時には主催者のサトシが開場し、2番のケンイチが「集いの部屋」に入る。
その時には、すでに13番がベッドに横たわっていた。
サトシとケンイチよりも前に誰かが死体を「集いの部屋」に運んだのだ。 

集合前に屋上にいたタカヒロは、自分より先に来ていたのに番号札を取っていなかったノブオを、到着順をごまかすためだったのではないかと疑い、犯人なのではないかと尋ねる。
するとノブオが、自分が殺人を犯した、とあっさりと認める。
駐車場に入ってきた業者のトラックにみんなの注意が向いている隙に、ノブオは走り去る。
屋上から階段を使って降りようとしたところで、何者かに階段の上から突き落とされてしまう。

ノブオはしばらく姿を消すが、集いの場でメンバーが犯人捜しを議論している中、血だらけになった状態で再び現れる。
シンジロウが、アンリとノブオが集合前に連絡を取り合っているところを見かけており、二人が13番を殺してベッドに運んだのではないかと指摘する。
ノブオは、自分が殺したのは13番ではなく、1年前にいじめっこの同級生を階段から落として殺したと自白する。

 

13番を会場に運んだ方法

実は1番に到着したのはアンリ、2番目に到着したのはノブオだった。
二人が屋上で会話をしていると、入り口に車いすで運ばれて入ってくる3番目の人物を見かけて、介助しに受付まで下りる。
車いすを押している人物は、ユキだった。
ユキは、誰よりも先に来て、車いすの人物(13番目の人物)と先にベッドで眠っているつもりだった。
しかし、受付のドアが車いすには狭すぎて中に入ることができなかったため、広い正面玄関なら表から入れるかと思い車いすの人物を残したまま見に行ったが、自動ドアが開かなかった。

その時アンリが入ってきてしまい、車いすに乗った人物を見つけてしまう。
ユキは思わず隠れてしまい、その間にノブオとアンリが、死んでいると思った車いすの人物を集いの場まで連れて行ってしまう。
ユキはとっさにマスクと帽子を取り、受付に置く。

トラブルで安楽死の実行が中止になったらたまらないため、アンリとノブオはひとまず車いすの人物を女子トイレに隠す。
アンリはサトシの注意をひくため配電盤のスイッチを入れ、集いの場から遠ざけようとする。
アンリは到着する参加者を見張るためにまた屋上に行く。
次の参加者がやってきて、車いすの人物を隠している女子トイレが危険になる。
アンリは携帯でノブオと連絡を取り合い、ノブオは車いすの人物を女子トイレから引きずり出そうとする。その際に、片方のスニーカーが脱げてしまう。
車いすの代わりに受付にあったキャスター付きの椅子を使用する。その時にもう片方の靴も脱げてしまう。

ノブオは二階に移動して、車いすの人物の隠し場所を探す。
アンリの指示でノブオは車いすの人物を移動させようとするが、その時に椅子から落としてしまう。
ケンイチとリョウコが、人が倒れるような音が聞こえたと言っていた音は、13番を椅子から落とした音だった。
車いすの人物を隠した6階に誰も来られないようにするために、椅子をエレベータの扉に挟んで、エレベータを止めた。
電源のことがひっかかったサトシが巡回に行ったおかげで、ノブオは無人の集いの場に入ることができた。
そして、誰にも見つからないように集いの場へ移動させることに成功する。

アンリが、受付に置いてあった帽子とマスクを外に捨てに行きたかったが、シンジロウが邪魔で外に出られなかった。
シンジロウをその場所から遠ざけるために、ノブオがわざと自動販売機でペットボトルの水を買い、音を立てて興味をひく。
そのすきにアンリは外に出ることができた。
参加者全員が中に入ったあと、帽子とマスクをアンリが外に捨てた。でも実はマイはまだ外にいた。
そのため、他のメンバーが花壇には何もなかったと言っていたが、マイは唯一帽子とマスクを見つけていた。

 

13番の正体と、12人が下した決断

13番の正体は、植物状態になったユキの兄だった。
塾の帰り道に兄がユキを自転車の後ろに乗せてくれた。その際に、兄が彼女にもらったマフラーをしていたのをふざけて引っ張ったら、二人が乗った自転車が車にぶつかってしまった。
その事故が原因で、ユキは左手に麻痺を負うことになり、兄は植物状態になってしまった。
ユキは自分を責めており、兄も集いの場で死ぬことを望んでいるのではないかと思い、集いの場に参加したのだった。 

集いの場でメンバー全員が議論しているときに、13番のベッドの方からイビキが聞こえてきた。
みんな13番が死んでいるものだと思っていたが、まだ生きていることが分かる。
さらにシンジロウは、みんなの死にたい理由を聞くうちに、みんなたまたま不幸がそこにあって出会ってしまっただけなんじゃないか、みんな死ぬべきではないのではないかと考えるようになる。

シンジロウは、1年後には自分の意志ではもう何もできなくなる、そうなる前にせめて自分の意志で自分の命を終わらせようと思ったが、逆に自分で生きることを決めることもできる、みんなに会えたことでそう思えることができたと言う。
そこで、シンジロウからサトシへ、この集いを中止することを提案する。
全員が手をあげて、この集いのルールである「全員一致」になったため、集いが中止される。

 

感想

Photo by Lee 琴 on Unsplash

登場人物が多く、はじめは番号と名前・顔を把握するのが大変です。
でも、それぞれ個性が際立っており、生い立ちを聞いていくうちに、だんだんキャラが認識できるようになっていきます。
大人になった、いまの自分の立場からこの映画を見ると、「子供ってこんなことで死にたいと思うの?」と思うくらい、単純な悩みもあったりします。
しかし、自分の子供の頃を思い返すと、小さいことで悩んでいたなぁと思うこともあり、でもその時の本人にとってはすごく深刻な悩みだったりするんですよね。
そしてこの映画のように、人に悩みを聞いてもらったり、気持ちを理解してもらうと、すっきりとして前向きになれたりするものなんですよね。
「集いの場」での唯一のルールが「全員の意見の一致」であり、そこにむけて全員が議論しながら話が進みますが、話し合うことで相手を理解すること、されることって大事だな、と改めて感じさせられます。
若者たちの生と死に対する葛藤や悩みがうまく表現されていた作品だと思います。
原作の方も読みましたが、建物の構造を理解したり、一人一人の番号とキャラクターを把握すのに苦労しました。
映像化されたことで、すっきりわかりやすく観ることができました。

 



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