映画のあらすじ、ネタバレ、映画では描写されなかった乗客の真実についてご紹介します。
映画：『ユナイテッド93』のあらすじ【ネタバレなし】
2001年9月11日。
ニューアーク空港発サンフランシスコ行き「ユナイテッド航空93便」は40名の乗客乗員が乗っており、
朝の離陸ラッシュに巻き込まれて、予定時刻を30分ほど遅れて離陸するのを待っていた。
最初に異常に気がついたのはボストン管制センターで、通信が途絶えていたアメリカン航空11便から、
「操縦室を制圧した。静かにしろ。空港に戻る」という声が聞こえてきた。
ただちにニューヨーク州ローム北東地域防空指令センターにも伝えられ、臨戦体制がとられたが、
アメリカン航空11便を捜しているうちに、ワールド・トレード・センター北棟にアメリカン航空11便が激突し、黒煙が上がる。
その後、ユナイテッド航空175便が通信不能となり、ワールド・トレード・センター南棟に激突、
アメリカン航空77便がペンタゴンにと、次々に激突する。
その頃、ユナイテッド93便は乗員乗客も他の便がハイジャックされて次々に激突していることを知る由もなく、穏やかなフライトを続けていた。
離陸後しばらくして、ユナイテッド航空93便のテロリストたちが突然動き始め、乗客の首をナイフで刺し、爆弾を持って動き出した。
果たして、乗員乗客40名の運命は…？
映画：『ユナイテッド93』のあらすじ【ネタバレあり】
ここからは、『ユナイテッド93』のあらすじをネタバレしていきます。
ユナイテッド93便のテロリストが動き出したことで、機内は混乱状態となる。
4人のテロリストたちは二人ずつに別れ、片方は操縦室に押し入り機長たちを刺殺する。
もう片方は爆弾で脅しながら、乗客を後方席に追いやる。
管制センターは乗務員たちの機内の叫び声をキャッチしており、ユナイテッド航空93便から応答がなくなり、許可なく降下しているのを把握する。
最初に首を刺された男性を救うため、ユナイテッド93便乗客の救命救急士の女性が手を挙げテロリストたちに許可を求める。
その頃テロリストたちに連絡が入り、仲間のテロリストがハイジャックした航空機2機がワールドトレードセンターに激突したことを知る。
仲間が任務達成したことを知り、テロリストたちは次は自分たちの番だと鼓舞する。
その頃防空指令センターでは、ハイジャックした航空機の進路妨害を行い首都のワシントンを守るため、非武装の戦闘機が2機発進する。
CAのサンディは、座席につけられている電話を使い、地上スタッフにテロリストの犯人が3人であることを伝える。
また、CAが医療器具を持ち、首を刺された乗客を助けたいとテロリストたちに申し出るが、すでに刺された乗客は脈もなく息絶えていた。
同時に、パイロット二人が刺されて倒れていることが分かり、乗客もコックピット内で何があったか、事態を把握する。
ユナイテッド航空93便の乗客は、ワールドトレードセンタービルに2機の航空機が激突したこと、
4機がハイジャックされていることを地上との電話で知る。
これは自爆テロであり、自分たちが乗っている飛行機もターゲットに向かって飛んでいることを把握し、何とか阻止しようと考え始める。
体格の良い男性客を集め、機内で武器になりそうなものを探し、ナイフ・フォーク・消化器・鞄・熱湯を武器にすることに決める。
また乗客たちのなかには、テロリストの爆弾は機内に持ち込めるはずがないため偽物ではないかと考える人もいた。
テロリストたちは、激突しようとしているターゲットのホワイトハウスまであと20分かかり、その間に乗客たちを制圧できないかもしれないと焦る。
乗客たちは、仮にテロリストたちを倒すことができても、操縦士がすでに刺殺されているため、誰が操縦すればよいのかと考えた。
単発機のライセンスを持っている乗客が見つかり、協力するという。
テロリストが後ろを向いた隙を見計らって、乗客は業務用ワゴンを盾にしてコックピットへ突っ込む。
テロリストの偽物の爆弾を取り上げ、何度も殴打する。
テロリストのリーダーの操縦士は機体をわざと左右に激しく揺らし、乗客をコックピットへ近づけさせないようにする。
しかし、乗客たちは勢いをつけて操縦室へ突っ込んでいき、コックピットのドアを蹴破る。
乗客は必死にテロリストの操縦士の手を抑え機体を上昇させようとし、テロリストの操縦士も叫びながら必死に抵抗する。
乗客たちの努力の甲斐もなく、機体は上昇することなくそのまま落下していき、墜落した。
犠牲になった4機のうち、ユナイテッド航空93便だけがテロリストたちの目的地に到達しなかった。
午前10時3分に、ペンシルバニア州シャンクスヴィルの草原に墜落し、乗客乗員は全員死亡した。
軍の上層部がユナイテッド航空93便がハイジャックされたのを把握したのは墜落から4分も経った頃だった。
一番近い戦闘機は現場から160キロ遠方にいた。
午前10時18分に大統領はハイジャック機の攻撃を承認する。
しかし、軍部は誤った目標を撃墜する恐れがあるため、飛び立ったパイロットにはこの承認を伝えなかった。
午後12時6分に全民間機は強制着陸させられることになった。
軍は空前規模の動員態勢をし、アメリカの空域は封鎖され続けた。
911アメリカ同時多発テロで被害に遭った乗客の真実
機転を利かせたCA
アメリカン航空11便で乗務していたCAのジュティー氏とエイミー氏は、
テロリストにハイジャックされてすぐに機内後部座席の電話を使い、アメリカン航空地上本部にハイジャックの状況を伝えた。
彼女たちは本部へ、実行犯の座席番号を正確に伝えた。
これによって、すぐにハイジャック犯の特定を行うことができた。
便を変更して犠牲となった乗客
ユナイテッド航空93便で犠牲となった乗客のうち、予定の便を変更したことで犠牲となった方もいた。
医療器具の経営者はニューヨークに出張中だったが、早く帰ろうと9：20出発の便から8：01出発のユナイテッド93便へと変更した。
Web関係のセールスマンの男性も、前日の便に乗る予定だったが一日早めてユナイテッド93便に乗った。
雑誌販売責任者の女性も予定よりも早く帰れることになったため、便を早めてユナイテッド93便に乗り、犠牲となった。
日本人の犠牲者
ユナイテッド航空93便では日本人も一人犠牲となった。
早稲田大学理工学部二年生の男性がテロに巻き込まれた。
『ユナイテッド93』の冒頭で、朝食後にコーヒーを頼む彼の姿が描写されている。
映画：『ユナイテッド93』の感想
息子が『ユナイテッド93』を観たいと言ったので、U-NEXTで久々に鑑賞しました。
はじめて鑑賞したのは映画が公開された2006年に映画館で。
その時に思ったのは、あまりに絶望的で「もう二度と観たくない」という感想でした。
あれから10数年経ち、自分にも命より大切な家族ができて、今回改めて鑑賞すると、
家族に機内から別れを告げる乗客たちの気持ちや、それを告げられた家族の気持ちまで痛いほど伝わってきて、胸が痛くなりました。
ハイジャックされた機内の様子がとてもリアルで、緊迫感があり、
自らテロに立ち向かい戦いに行く乗客たちや、管制センター・指令センターの人々の必死な姿など、手に汗握るシーンの連続です。
ハイジャックされた4機の中で、唯一目的地のホワイトハウスへ到達することなく、墜落したユナイテッド93便。
ペンシルバニア州シャンクスヴィルの草原に墜落し、地上の犠牲者を出すことなく戦った
乗客たちの勇気ある行動・チームワークにとても感動する一方で、
自分がもしあの場にいたら、どんな行動ができただろうと考えさせられます。
また、唯一の日本人犠牲者だった彼は、機内がパニックに陥る中、
周りは外国人だらけで外国語が飛び交う中、どんなに不安な気持ちで居ただろうかと思うと、胸が張り裂けそうな思いになります。
ハイジャック犯である4人の若者の行動は理解も共感もできませんが、
彼らは自分たちの行いが正義であると信じ、神を信じ、
きっと自爆テロが国民的英雄になれると信じたことによる行動だと思うと、筆舌に尽くしがたい思いです。
このような悲惨な事件の中で、犠牲者になった方々の勇敢な行動があったことを多くの人に見て・知って欲しい映画です。
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